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島津 奨
メーカーから様々な種類が販売されている塗料は、希釈する溶剤の種類によって水性塗料と油性塗料の2種類に分類することができます。さらに油性塗料は、強溶剤と弱溶剤の2種類に分類ができます。
このページでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて紹介させていただきますので、塗料の選定にお役立ちいただけると幸いです。
外壁塗装で使用する塗料は、希釈する溶剤の種類によって水性塗料と油性塗料に分類することができます。
油性塗料は油性塗料とも言い、塗料希釈の際にシンナーを要する塗料になります。水性塗料は水で希釈するタイプの塗料になります。
油性塗料は、退色に強いという特徴があります。
油性塗料の中でも、シンナーの種類によって強溶剤と弱溶剤の2種類に分類され、一般住宅の塗り替えでは弱溶剤タイプを使用致します。
また、現在ではデメリットであるひび割れの発生を考慮して、シーリングが無くクラックが発生しにくい金属サイディングや、主に鉄部の塗装に使用されております。
水性塗料は、シンナーを使用しないので、油性塗料に比べて臭いが少ないのが特徴です。
現在は水性塗料が主流で需要が高いため、各塗料メーカーが開発に力を入れています。さらに、金属系の外壁材でも塗装可能な材料が出ておりますので、幅広く取り扱う事が出来ます。
■塗膜が強固でキズが付きにくい
強溶剤は、乾燥した塗膜が非常に硬く強い仕上がりになるため、摩擦などが生じても表面上のキズが付きにくいです。
また、完全乾燥した後にシンナーが表面についても塗料が溶けない程、強く仕上がります。
■耐久性が高い
強溶剤は耐久性が高く、金属系の手摺など物が当たったり、よく触れたりする場所に使用しても長持ちします。一般住宅の塗装だけではなく、重機の塗装などでも用いられています。
■刷毛・ローラーでの塗装は不向き
強溶剤は塗料の硬化が一番早く、塗装時に使用する刷毛やローラーの手入れを怠ると、塗装物に刷毛の毛やローラーの毛が付いてしまう事があります。
そのため、基本的に刷毛・ローラーでの塗装は不向きです。もし刷毛やローラーを使用する場合は、十分に注意をして塗装する必要があります。
また、硬化が遅いスローシンナーと呼ばれる製品を使用することで多少の対策は可能です。
■旧塗膜を溶かしてしまう可能性がある
塗装前に下地の確認をしっかりと行ったうえで全体塗装を行わないと、新たに塗装した塗料が原因で旧塗膜を溶かしてしまう恐れがございます。
もし旧塗膜を溶かしている状態の場合は、全面塗料を剥離してから仕上げなければいけません。
■臭いが発生する
強溶剤はシンナーを使用するため、塗装中から乾燥後3日前後までは建物周辺で強い臭いが発生します。
■密着性が高い
特徴で金属部分や樹脂部分にも高い密着性を発揮するため、主に建物の付帯部と呼ばれる付属物の塗装に使用致します。また、退色に強いというメリットもあります。
■キズが付きにくい
強溶剤までは強くありませんが、塗膜表面が摩擦等のキズに強いため、少し硬いものが当たったとしても塗料が剥がれにくいです。
■臭いが発生する
油性塗料全てにおいて共通致しますが、シンナーを使用するため、塗装現場周辺でしばらくの期間、臭いが発生してしまいます。
ですが、強溶剤よりは臭いを抑えることが可能です。また、塗料に含まれている有機物質が少ないため、強溶剤に比べて環境や人体への影響も少ないです。
■ひび割れしやすい
弱溶剤は乾燥した塗膜が硬いので、シーリングの上に塗装した塗膜が割れやすかったり、外壁材の継ぎ目部分が割れやすくなります。
そのため、熱膨張や振動が塗膜に伝わりやすいサイディングボードや、塗膜の柔らかさが必要となるALC・SRC等への塗装は不向きです。
■ひび割れが発生しにくい
水性塗料の場合、乾燥後の塗膜が柔らかく、熱膨張などによる建物の動きにも追従できるため、シーリングの上や外壁の継ぎ目部分などの塗膜でもひび割れが発生しにくくなります。
■塗膜の厚みを確保できる
油性塗料と違い塗膜の厚みが確保出来るため、頑丈な下地を作ることが可能です。
例えば、水性塗料で一度塗装をして完全乾燥後に油性塗料を塗装した場合でも、光沢がはっきりと出る程の性能を発揮します。
■臭いが少なく安全性が高い
水性塗料は油性塗装に比べて臭いが少ないメリットがあります。
さらに、シンナーを使用しないので保管もしやすく、溶剤中毒の危険がないため、安全性にも優れています。
■油性塗料に比べて耐久性に劣る場合がある
過去の事例として10年、20年前の水性塗料は耐久性が低かったため、塗装してもすぐに色褪せしたり、チョーキング現象が発生したり等の現象が起きていました。
マジックペン等でも同じですが、一般的に水性よりも油性の方が強いというイメージが付きがちです。
ですが、現在は塗料の開発も進んでおり、水性塗料でも性能に優れた塗料も多くあります。
とは言え、やはり塗膜自体の耐久年数だけで言えば、油性塗料の方が高耐久塗料で多種多様という点は否めません。
■退色しやすい
水性塗料は油性塗料に比べて、退色が起こりやすいです。特に日当たりが良い場所では、塗料メーカーの期待耐候年数よりも早く色褪せする可能性があります。
結論から申しますと、総合的に判断して水性塗料の方がオススメです。建物を保護して長持ちさせる意味では、最も適しています。
塗料メーカーに記載されている適合材質の部分を守れば、基本的にはどんな物でも塗装可能です。
ただし、たとえ同じハウスメーカーや同じ造りでも、数メートル立地が変わっただけで劣化状況が異なってしまい、建物1件1件に癖がございます。
信頼できる業者と相談して、建物にあった塗料を選定するのが一番理想的です。
【油性塗料と水性塗料どちらが良いの?】で記載したように、基本的にはメーカーカタログに記載してある適合下地材をクリアしている塗料であれば、どの種類の塗料を使用しても問題ありません。
建物の立地条件等を考慮しならがら「紫外線を重視するべきなのか」「建物の動きに追従できる塗料を選定するのか」という所まで掘り下げて塗料の選定をすることで、総合的に見てより良い施工を行えるでしょう。
また、単に油性塗料・水性塗料が良いと言うわけではなく、建物の特徴や弱っている部分をしっかりと確認したうえで見極めることが重要です。
日当たりのいい条件であれば退色を重視し、建物のクラック(ひび割れ)が多い場合は、耐久性を少し下げてでも追従性のある塗料を選定した方が、総合的に見て建物を保護することが出来ます。