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防水層の膨れの原因と補修方法

島津 奨

防水の工法は数種類あり、改修防水を行う際に工法の選定を間違えてしまうと、膨れが発生したり最悪の場合、漏水の原因に繋がってしまう場合がございます。

このページでは、防水層の膨れの原因と補修方法についてご紹介いたします。

防水層の膨れが発生する原因


防水層の膨れが発生する原因は様々です。

一番多いのは、施工不良により新規防水層と既存下地の間に水が入り込んで、新規防水層が膨れてしまうケースです。

さらに、防水層に亀裂が入り、その亀裂から水が浸入して防水層が膨れてしまったり、下地の呼吸が原因で下から空気が押し出されて、防水層が浮いてしまう場合もございます。

防水層の膨れは、基本的に目視で確認することが可能です。膨れは水分によって起こるため、膨れている部分を触ると内部に水が溜まっているケースもあります。

ウレタン防水の通気緩衝工法で膨れは防げる

通気緩衝工法とは、防水層を形成する際に下地に直接施工はせず、下地と新規防水層の間に隙間ができるように施工する工法です。

改修工事の場合は、既存防水層と新たに形成する防水層の間を絶縁する形で、既存防水の上から新設防水を行います。

なぜ膨れを防げるのか

通気緩衝工法では、新規防水層を施工する前に「通気シート」と呼ばれる通気性を確保するためのシートを敷き、さらに煙突のように内部の湿気等を外へ排出できる「脱気筒」を設置します。

この通気シートと脱気筒の働きによって、室内・室外の気温差による結露や湿気が発生した時に、下地に溜まった水分や湿気を外へ逃がすことができるため、水分等が原因で起こる膨れも防ぐことが可能になります。

メンテナンスの必要性

膨れを放置していると、雨漏りに直結するので注意が必要です。

防水層が膨れているということは、防水層の下に空間が出来ている、もしくは水が回っている証拠と言えるため、雨漏り発生の可能性が非常に高くなります。

さらに、躯体自体の劣化を促進させる原因にも繋がるので、膨れ等を発見した場合は、直ちに改修工事を行う事をお勧めいたします。

また、室内で雨漏りが確認出来ていない場合でも、逃げ場のない水が建物内部に入り込んでしまうリスクがあるため、早急なメンテナンスが必要です。

防水層の膨れの補修方法と費用

補修方法

膨れを補修する際は、パッチ補修と呼ばれるシート防水を部分的に張る工法を行います。

作業の流れとしては、まず不良箇所をカッター等で撤去して下地の簡易的な補修を行い、その後パッチ補修をしてから部分的に塗膜防水を流し込んで完成となります。

ただし、防水層の種類によって補修方法は様々なので、全てのケースに当てはまるとは限りません。防水層の状態に適した方法を選ぶことが大切です。

費用

下地や立地条件により様々ですが、補修の場合は5万円~15万円、新規改修の場合は㎡単価5,500円~12,000円程度が相場です。

※バルコニーのみの場合、材料費と人件費で割り出し計算する事があるため、参考金額に該当しない場合がございます。

まとめ

防水工事は様々な工法があり、一般的な建設屋やハウスメーカー等に限らず、専門業者でも防水層の種類や工法を見間違える事がございます。

そのため、専門業者の調査でも1社だけでなく、複数社の診断を受けて判断する事をお勧め致します。

また、防水の膨れや不良箇所がある状態を放置すると、建物外部だけでなく内部の方へも影響が出てしまうので、不良箇所を発見した場合は、直ちに改修工事を行う事をお勧め致します。

もし内部への影響もそのまま放置してしまうと、防水工事だけでは取り返しがつかなくなる場合もあるため、専門業者の見解を基に判断しましょう。

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