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防水工事をDIYする注意点と作業工程

山下 文佳

住宅のメンテナンスには高額な費用がかかるため、出来るだけ費用を抑えるためにDIYを検討している方もいるのではないでしょうか。

防水工事は間違った方法で施工をしてしまうと、雨漏りに繋がる可能性もあるので、DIYを行う場合は正しい知識を身に着けておくことが大切です。

このページでは、防水工事をDIYする際の注意点や作業工程、必要な道具などについて説明いたします。

防水工事のDIYはできるのか?

あくまで簡易的な防水にはなりますが、防水工事のDIYを行うことは可能です。

近年では、ホームセンター等にも防水材料が販売されているため、DIYへのハードルも下がってきていると言えます。

しかし、ホームセンターに売っている防水材は、ただ上から防水材料を流し厚みをつけて防水層を作るだけなので、防水層がしっかりと下地に密着性せず、直ぐに剥がれ等の不具合が発生する恐れがあります。

また、ホームセンターに売られている材料で防水を行う場合は、基本的に、既存の防水層が綺麗な状態で、亀裂や浮き等も発生していないことが条件となります。

ひび割れや浮きを補修してから防水層を形成する作業は、専門的な技術と知識を要するため、劣化が見られる際は専門業者による施工をお勧めいたします。

DIYするならウレタン防水がオススメ

防水の工法にはいくつかの種類がありますが、DIYで防水工事をする場合はウレタン防水がオススメです。

ウレタン防水は、液状の塗料を塗り重ねて防水層を作る工法なので、他の工法に比べて難易度が低く、施工場所の形状にとらわれずに工事することが可能です。また、同じ塗膜防水であるFRP防水よりも価格が安いメリットもあります。

ただし、塗料を塗り重ねる必要があるので、何度も塗料を乾燥させる時間を取らなければならず、さらにDIYでは塗りムラも起こりやすくなります。

ウレタン防水には「1液型」と「2液型」がある

ウレタン防水には、1液型と2液型の2種類あります。大まかな違いは次の通りです。

1液型:缶を開けたらそのまま塗ることができる
2液型:使用する前に、主剤と硬化剤を混ぜ合わせる必要がある

本来であれば、2液型を使用するのが一番理想ですが、DIYの場合は1液型をお勧めいたします。理由は主に2つあります。

1つ目は、1液型は2液型に比べて速乾性が無いため、作業のしやすさを第一に考えた時に、乾燥時間の長い方が作業に慣れていない方でも扱いやすいからです。

そして2つ目は、缶を開けて直ぐに使用することができるからです。前述の通り、2液型は主剤と硬化剤を混ぜなければならず、その際に分量の間違いや撹拌不足があると、施工不良に繋がってしまいます。

DIYのメリット

DIYの場合は、業者の都合に合わせる必要がないため、ご自身の空いた時間で工事を行う事が可能です。さらに、職人の作業手間費がないので、比較的に安価に施工できるメリットもあります。

また、立地条件によっては室内を通らないと施工できない場合がありますが、DIYであれば作業員が室内や敷地内を出入りすることもありません。

DIYのデメリット

まずデメリットとして挙げられのが、一般の方が入手できる防水材料では、防水機能があまり期待できないという点です。

また、防水工事を行った箇所は歩行面となるので、摩耗対策を要する場合もあります。もし対策が不十分だと、防水層が直ぐにめくれあがってしまうなどの不具合が発生します。

さらに、防水工事は一度でも誤った方法で施工を行うとやり替え作業が必要となり、その際に既存防水を全て撤去する手間と費用がかかります。

そのため、DIYの失敗が原因で、将来的にメンテナンス費用が割高になってしまう可能性も考えられます。

DIYの作業工程と必要な道具

清掃・洗浄

まずは清掃・洗浄を行います。

スクレイパーでこびりついたゴミ等の除去し、ほうきとちりとりを使って、全体的に綺麗に掃除していきます。

養生

ガムテープ、マスカー、マスキングテープなどを使用して、塗装しない部分を保護します。

養生には、周囲が汚れるのを防ぐだけではなく、塗装する部分と塗装しない部分の境目を綺麗に仕上げる目的もあります。

プライマー塗布

ローラー、刷毛を使用して塗りムラがないように満遍なく塗装していきます。

プライマーは接着剤のような役割を果たし、防水層と下地の密着力を高める効果があります。

ウレタン塗料塗布

プライマー同様に刷毛、ローラーを使用して満遍なく塗装していきます。

規定塗膜の基準値は材料によって様々なので、塗布量をしっかりと確認したうえで施工するのがポイントです。

トップコート塗布

トップコートには形成した防水層を保護する役割があり、プライマー、ウレタン塗料塗布と同様に刷毛、ローラーで施工を行います。

防水の主剤であるウレタン塗料は、ゴミなどが付着しやすく、さらに紫外線に弱いためトップコートの塗り忘れは厳禁です。

DIYの注意点

一般的にDIYで使用する材料であれば取り扱いがしやすいかとは思いますが、まずは材料の注意事項等をしっかりと確認することが大切です。

また、可能な限りの換気を行い施工することも重要です。必要に応じて防毒マスクや手袋を着用するようにしましょう。

防水工事は専門業者に依頼しましょう

DIYは費用を抑えることができますが、防水工事は一度でも間違った施工を行ってしまうと、すでに施工されている防水層を全て撤去しなくてならず、結果的に無駄な費用をかけることになってしまう場合もあります。

そのため、後にかかってくる費用やランニングコストを計算すると、専門業者に依頼した方がトータル費用は抑えられるでしょう。そして、何よりも安心して施工後も過ごすことが出来ます。

DIYの失敗だけではなく、雨漏りなどの二次被害に繋がってからでは遅いため、専門業者で施工する事をお勧めいたします。

まとめ

防水工事の場合、塗装工事とは違って雨漏りに直結する箇所の施工となるため、基本的にはDIYのお勧めは致しません。

また、専門業者から見ると、市販で売っている材料は耐久年数など付けがたい材料ばかりで、紫外線から保護することは出来るかと思いますが、漏水対策には至らないかと思います。

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