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外壁塗装以外のリフォームの種類(カバー工法、張替え)と相場

藤吉 崇史

塗装は、カバー工法や張り替えと比較すると、最も安価で工期も短いです(塗料や屋根の状態によもよる)。ただし、屋根材自体の劣化がひどい場合は塗装では対応できません。そんなときは、カバー工法、張り替えというリフォームが必要になります。

カバー工法は、今ある外壁材の上から樹脂系サイディングや、ガルバリウム鋼板を張る工法です。

貼り替えは、今ある外壁を全て解体して新しい外壁を設置します。塗装やカバー工法ではメンテナンス不可能な場合に行います。

このページでは、カバー工法や張り替えについて説明しています。

カバー工法の特徴

カバー工法は、今ある外壁材の上に新しい外壁材を重ね葺きする工法です。施工方法としては、新しく重ね葺きする外壁材の材質にもよりますが、大きく分けて2種類に分類されます。

・今ある外壁の上に、新たな防水材(透湿防水シートなど)を新設して外壁を新設する方法
・今ある外壁の上に、防水材を貼らずに直貼りする方法

今ある外壁の劣化の状況や雨漏りの有無により、どちらかの方法を選びます。

施工料金の相場

概算ですが相場は以下の通りです。ただし、使用する外壁材のメーカーにより金額は変動します。

・窯業系サイディング:8,000円~/㎡
・金属系サイディング:7,500円~/㎡
・樹脂系サイディング:6,500円~/㎡

張り替えの特徴

張り替えは、今ある外壁材を全て撤去して、新しい外壁材を新設する工法です。工事内容は、カバー工法と違い既設の外壁材を全て撤去するので、内部の状況により工事内容が変化します。

一般的な張り替え工法は、今ある外壁と防水材(透湿防水シートなど)を解体して新しく防水材を貼り、その後に外壁材を張り付けます。

下地の木組が腐っていたり破損していたら、木組からの増設が必要ですし、簡易的な費用を抑える工法なら今ある防水シートを残したまま新設することもあります。

施工料金の相場

概算ですが相場は以下の通りです。ただし、今ある外壁材を撤去したあとの状況により追加工事が出てくることもあるので、一概には言えません。

・窯業系サイディング:14,000円~/㎡
・金属系サイディング:13,000円~/㎡
・樹脂系サイディング:12,500円~/㎡

工法別メリット・デメリット

塗装のメリット・デメリット(カバーや張り替え工法と比べて)

塗装のメリットは、費用が各段に抑えられる点です。カバーや張り替え工法と比べると、費用を1/2から1/3まで抑えられます。

また、最近の塗料は耐久性が長いものが多く20年以上持つものや、特殊な性能が付加価値として付与されている塗料もあり、安価で長く持ち断熱や防音効果も実現できます。

工期もカバーや貼り替えは約1カ月以上もかかるのに対して、塗装工事は約2週間と非常に短期です。

塗装のデメリットは、外壁そのものが新しくなるわけではないので、経年としての劣化がそのまま出てしまう事です。また、今ある外壁材からの意匠性(模様)は変える事はできません。

カバー工法のメリット・デメリット

カバー工法のメリットは、張り替えよりは費用を安く外壁を新しくできることで、意匠性(模様やデザイン)の変更、今ある外壁材の劣化を完全に隠すことができます。

選択する外壁材によっても変わりますが、断熱性や防音効果も付与されている物もあり、耐久性も30年と非常に長いです。

工期も張り替えよりは短期にできます。

デメリットが、塗装も同じですが、内部を触る工事ではありませんので、根本的に改修はできません。また、今ある外壁材の上に貼る為、耐震性の低下につながることもあります。

安価と言っても塗装工事よりは高価な為、塗装工事で十分な状況が非常に多いです。

張り替えのメリット・デメリット

張り替えのメリットは、塗装工事やカバー工法と違い、建物の素地から改修する為、雨漏りによる腐食などの全ての問題を解決できます。

断熱材も新しくすることができるので、断熱性や防音効果も新築の時に戻すことができます。耐久性も新築同様の外壁材にするので、高いです。

デメリットは、塗装やカバーに工法に対して非常に高価で、工期も長くなります。高価なわりに、塗装やカバー工法で対処・対応できる事が多い為、わざわざ選択する事がないことが多いです。

比較表

  塗装 カバー工法 張り替え工法
費用 安い 高い とても高い
耐久性 長い 長い 長い
工期 約2週間 約1ヵ月 約1ヵ月
断熱、防音効果 商品による 商品による 商品による
耐震性 影響なし 低下する可能性あり 上昇する

カバー工法と張り替えは築30年が目安

今までにメンテナンスをしないまま築30年を超えている建物に関しては、カバー工法や貼り替え工事をオススメします。理由は、経年によって蓄積された劣化により、塗装では保護しきれない可能性が高くなっているからです。

塗装は、あくまでも今ある外壁材を保護するための工事なので、外壁自体が傷み過ぎている場合は、塗装をしても意味がないこともあります。例えば、築30年を超えている建物を塗装したとして、数年後に素地の老朽化により外壁自体が剥がれてしまっては意味がないでしょう。

上記の理由を含め、築年数が30年を超えている場合は、塗装よりカバー工法や貼り替え工事のほうが良い状況もあります。

まとめ

基本的には、塗装で十分な場合が多いです。ただし、今までにメンテナンスをしないまま築30年を超えている建物に関しては、カバー工法や貼り替え工事をオススメします。塗装では、補修しきれない場合があるからです。

注意が必要なのは、塗装で大丈夫な建物でも、強引に「カバーや張り替え工法ではないとしっかり補修できない!」と偽る業者です。詐欺に近い事をしている業者もいますので、気をつけてください。

「カバー工法を提案されたけど、本当に適した補修方法なの…?」というような疑問点がある場合は、私どもにお問い合わせください。プロの目で建物を調査し、最も適した補修方法を提案させていただきます。

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