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島津 奨
屋根材には、大きく分けて5種類の材質があります。
・金属系には、ガルバリウム鋼板、トタン、銅板
・スレート系には、化粧スレート(カラーベスト・コロニアル)、天然スレート
・セメント系には、厚形スレート瓦(プレスセメント瓦)、コンクリート瓦(モニエル瓦)
・日本瓦
・アスファルトシングル
ここでは、それぞれの屋根材の特徴を説明していきます。
アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%の成分でできているメッキ銅板のこと。トタン屋根に比べ2~5倍の耐久性を誇る。
メンテナンスしなくても30年ほどの耐久年数があると言われているが、経年による色褪せが起こる為、塗装工事は必要です。
■耐用年数
20~30年ほど
■価格
スレートやコロニアルに比べると価格が高い
■メリット
・耐久性に優れている
・サビが出にくい
・軽量の為耐震性に優れている
■デメリット
・断熱性が低い
・防音性が低い
・価格が高い
■メンテナンス方法
劣化しにくく30年以上の耐久年数があると言われているが、30年間放置していいものではありません。経年による色褪せや切断面から発生金属片や鉄粉によるサビなどが発生する為、15年に1度は塗装することをオススメします。
鉄板に亜鉛をメッキした屋根材で、戦後から普及し始めたため昔の建物に多いです。
東海エリアでは、あまり見なくなりましたが、北海道などの雪国では今でもよく見かけます。
■耐用年数
8~10年程度
■価格
安い
■メリット
・施工がしやすい
・価格が安い
・軽量の為耐震性が高い
・破損に強い
デメリット
・断熱性が低い
・防音性が低い
・定期的なメンテナンスが必要
■メンテナンス方法
トタンはサビに弱い為、10年を目安に塗装が必要です。施工方法として、ケレン作業(さび落とし)を入念に行い、サビ止めを塗布後は中塗り・上塗りの順で塗装を行います。あまりにもサビが酷い場合はカバー工法、もしくは葺き替えをオススメします。
歴史のある銅板は日本の風土に適した金属素材のもの。
銅の特徴として緑青(銅板の表面に皮膜を作り内部の腐食を防ぐ効果や抗菌力がある)が発生する。
■耐用年数
50年以上
■価格
初期費用がかなりかかる
■メリット
・耐久性に優れている
・軽量の為耐震性が高い
・塗装の必要がない
■メデメリット
・価格が高い
・断熱性が低い
・防音性が低い
■メンテナンス方法
銅板に発生する緑青で耐久性が増していく為、塗装工事は必要ありません。しかし、酸性雨によってダメージを受けるケースもある為、定期的な点検を行うことをオススメします。
セメントに繊維を混ぜて板状にした素材のもので、住宅の屋根で一番多く使われています。
実は、カラーベストやコロニアルという呼び名は屋根材の商品名で、化粧スレートという呼び名が正しい屋根材の種類名です。
■耐用年数
20~25年程度
■価格
ガルバリウムより安価
■メリット
・価格が安価
・シンプルなデザインでカラーが豊富
・耐火性、耐熱性が高い
■デメリット
・苔が生えやすい
・衝撃に弱く割れやすい
・防水性が低い
■メンテナンス方法
劣化が進行すると雨水を含みやすくなります。そのため塗装工事を行う際は、苔や汚れをしっかりと洗い流し、下塗り材の吸い込みが止まるまでしっかり下塗りをします。下塗りの量が足りないと中塗り・上塗りを重ねても直ぐに塗料が剥がれてしまい後のトラブルに繋がってしまいます。
また、カラーベストにはパミールと呼ばれる紙に似た材質の物をミルフィーユ状に重ねて圧縮した屋根材があります。パミールの場合だと基本的に塗装はできません。
何故かと言うと、重ねてある紙状の物が経年劣化でめくれあがってきてしまい、新しい塗膜を作っても下地から剥がれてきてしまうからです。パミールの場合は、葺き替え工事をオススメします。
粘板岩と呼ばれる石を板状にした屋根材のこと。高い耐候性、断熱性があるのが特徴。ただし、割れやすいです。
■耐用年数
いつまでも劣化しない為、高い耐候性がある
■価格
スレートの6倍ほどの価格
■メリット
・品質のある仕上がり
・耐候性が高い
・断熱性が高い
■デメリット
・生産が少ないので価格が高い
・重量の為耐震性が低い
・割れやすい
■メンテナンス方法
天然石を使用している為、塗装の必要はありません。ただし、定期点検を行うことにより屋根材の交換タイミングを把握することが可能になるので、定期的な点検が必要となります。
セメント34%と砂を混ぜ合わせてモルタルで形成した屋根材です。
■耐用年数
30~40年
■価格
6,000~8,000円/㎡
■メリット
・加工しやすい
・耐熱性が高い
・耐久性が高い
・防音効果が高い
■デメリット
重量がある為耐震性が低い、防水性が低い
■メンテナンス方法
経年による汚れや苔を高圧洗浄でしっかりと洗い流していき、スレート屋根と同様に下塗り材でしっかりと吸い込み止めを行います。後に剥がれや色むらなどに繋がってしまう為、スレートと同様に下塗り材で吸い込みを阻止することが大切です。下塗りで吸い込みをしっかりと止めた後に中塗り・上塗りと工程を進めていきます。
厚型スレート瓦よりもセメントの量が少なく、主成分はセメントと砂を混ぜた屋根材です。
■耐用年数
30~40年
■価格
6,000~8,000円/㎡ 日本瓦より安い
■メリット、デメリット
メリット:防音性が高い、耐火性が高い、断熱性が高い
デメリット:重量がある為耐震性が低い、定期的な塗装メンテナンスが必要
■メンテナンス方法
劣化すると雨水を吸い込んでしまい、雨漏りに繋がる為塗装は必要になります。モニエル瓦の場合、表面にスラリー層という特殊な膜がはられています。その為、下地処理として高圧洗浄でスラリー層をしっかりと除去してから塗装を行っていきます。
また、モニエル瓦の場合専用下塗り材が存在する為、専用下塗り材を塗布してから中塗り・上塗りと工程を進めていきます。
粘土を焼き上げて固めた屋根材のこと。粘土瓦や和瓦とも呼ばれる。
■耐用年数
60年程度
■価格
8,000~12,000円/㎡
■メリット、デメリット
メリット:耐久性が高い、耐火性が高い、防水性が高い、断熱性が高い
デメリット:重量がある為耐震性が低い、価格が高い
■メンテナンス方法
瓦その物が無機質の為、紫外線や雨水による劣化は生じませんが、漆喰部分は経年劣化が起こります。そのため、外壁塗装のタイミングやそれ以外でも定期的に点検し漆喰工事を行うことをオススメ勧めいたします。
ガラス繊維にアスファルトをコーティングし、表面を石粒で施した防水シート状の屋根材のこと。アメリカでは80%がアスファルト系の屋根材を使用しています。
■耐用年数
10~20年
■価格
低価格でコストパフォーマンスに優れている
■メリット、デメリット
メリット:柔らかい為加工しやすい、軽量の為耐震性が高い、防水性が高い、防音性が高い
デメリット:耐火性が低い、台風性が低い
■メンテナンス方法
アスファルト系の材質でできているため、溶剤塗料を塗布すると下地を溶かしてしまうので、水性系の塗料で塗装します。高圧洗浄をすると表面の傷んだアスファルトが剥がれてくるため、入念に高圧洗浄を行います。
その後粘度の高い下塗り材を塗布し表面を塗り固めていきます。しっかりと表面を塗り固めた後に中塗り・上塗りと工程を進めていきます。
■メリット
・水はけが良く雨漏りの危険性が少ない
・屋根の熱が室内につたわりにくい
・洋風のイメージが創れる
■デメリット
・屋根面積が広い為施工費が高い
・台風や強風の影響を受けやすい
■適した屋根材
・落雪による被害を抑えられるスレート屋根
■メリット
・雨漏りがしにくい
・ほとんどの屋根材が使用できる
■デメリット
・急勾配に比べて耐久性が劣る
・急勾配に比べて断熱性が劣る
■適した屋根材
・スレート屋根
・4寸勾配以上から瓦
■メリット
・屋根に風圧がかかりにくい為強風に強い
・落雪による被害を抑えられる
・屋根の広さが変わらなければ勾配が緩いほど屋根面積は狭くなるため、コストが抑えられる
■デメリット
・雨水が屋根面にたまりやく雨漏りの危険性が高い
・屋根に汚れがたまりやすく劣化を早める
■適した屋根材
・落雪による被害を抑えられる防水性能が高いガルバリウム銅板
・落雪による被害を抑えられる金属系など
一般的な屋根の形で、屋根の一番上の棟から2方向に傾斜している。三角屋根とも呼ばれています。
■メリット
・落雪による被害を抑えられる
・雨水が流されやすい為雨漏りしにくい
・ソーラーパネルの設置がしやすい
・洋風でも和風でもどちらのデザインにも対応可能
■デメリット
・切妻に紫外線や雨が当たりやすい
・デザイン性に物足りなさを感じる
屋根の面が4つ方向に傾斜している。風に強いという特徴があります。
■メリット
・4方向の屋根面で紫外線や雨風から外壁を守れる
・台風に強く耐久性に優れている
・洋風でも和風でもどちらのデザインにも対応可能
■デメリット
・屋根が小さい為太陽光パネルの面積が広く取れない
・屋根裏のスペースが小さくなってしまう
・屋根の形状が複雑になる為切妻に比べて雨仕舞が悪くなる
家の中心を真ん中に、4方向に落ちるような形状をしている。先の寄棟屋根との違いは屋根の頂点の数で、寄棟屋根は2点、この方形屋根は1点となっているのが特徴です。
■メリット
・4面での構成のため耐風性が高い
■デメリット
・棟が4本ある為雨漏りの危険性が高い
・太陽光パネルの面積が広く取れない
屋根の棟から1方向に傾斜しており、近年の家に人気の形。デザイン性のある屋根です。
■メリット
・初期費用が安い
・工事期間が短い
・太陽光パネルの設置がしやすい
■デメリット
・雨水が分散されず流れるので雨漏りのリスクが高い
・妻側に紫外線や雨風が当たって外壁の劣化が起きやすい
・片流れの上にあたる面は、軒天井に雨水が当たりやすくなる為、屋根以外の場所からも雨漏りを発生させてしまう恐れがある
昔から日本にある伝統的な形。圧倒的に瓦作りの屋根に多く、和風住宅に多いです。
■メリット
・屋根裏の通気性が高い
・断熱性が高い
・4面から構成されていて耐風性が高い
■デメリット
・メンテナンスの際の取り合い部分が多く、高い技術が必要となるので費用が高くなる
・取り合いが多いので雨漏りしやすい
差しかけ屋根(さしかけやね)ともいう。2面の屋根面が段違いになっているのが特徴です。
■メリット
・太陽光パネルの設置角度と屋根角度(勾配)が一致している
・2F屋根裏にスペースが確保可能
・切妻屋根より耐風性が高い
・屋根裏の通気性や断熱性が高い
■デメリット
・雨仕舞いをしっかりと行なわないと雨漏り発生リスクが高くなる
切妻屋根の棟を一部切り取った形をした屋根。道路斜線制限に引っかかった場合にこの形にして制限内に収まるようにしている。
■メリット
・道路斜線制限によって間取り変更や室内が狭くなることが無くなる
■デメリット
・切妻屋根と比べて棟が少し複雑になる為雨漏りが発生しやすい
水平な形で屋上がある屋根。鉄筋コンクリートや鉄骨構造の建物で採用されることが多くあります。
■メリット
・屋上スペースを有効に使える
・落雪対策を基本的にはしなくてよい
・メンテナンスで上に上がる為の昇降ハシゴなど安易に取り付けることができるので、屋根の点検やメンテナンスがしやすい
■デメリット
・メンテナンスを怠ると雨漏りの可能性が高くなる
・夏場は屋根に直射日光が当たる為、最上階の天井が熱くなる
・陸屋根の場合は、水路となり水が流れる場所があり、積雪などにより一定以上に水かさが増えてしまうと雨漏りに繋がる
屋根の形を変えることはできますが、大掛かりなリフォームになり、さらに工事場所が高所なので足場の設置する必要もあるので高額になります。
規模によりますが、相場としては約200万〜700万円程度の費用が必要な工事となります。費用は、切妻、片流れ、寄棟などの変更する屋根の形状の違いよっても変動します。
屋根の素材、屋根勾配、屋根の形状によって、それぞれメリット・デメリットがあります。特に屋根材により、屋根そのものの耐久性があるため、塗装ではメンテナンスできない場合もあります。
その場合は、カバー工法や葺き替えもというリフォーム方法があるので、築20年以上の建物の場合は、塗装以外のリフォームを検討しましょう。