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島津 奨
塗装工事を検討するにあたり、まずはご自身でシリコンやフッ素といった塗料の種類、それぞれの耐久年数、油性塗料・水性塗料等について調べられるかと思います。
あまり知られていないかと思いますが、その中でも塗料は1液型と2液型という分類に分けられております。そして、1液型か2液型かによっても、塗料の特徴が異なるので注意が必要です。
こちらのページでは1液型と2液型の違いや、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介していきたいと思います。
基本的に、2液型のほうが1液型の塗料に比べて耐久性が高いため、近年では2液型の塗料が主流となってきています。ただし、2液型を使用する際は、主剤と硬化剤の希釈時に希釈配分を間違えないよう注意する必要があります。
1液型と2液型の特徴は、以下の通りです。
1液型の塗料で使用する塗料缶は、主剤の1缶のみになります。
実際に塗装する際は、水やシンナーで希釈してから使用します。ここで水で薄めて使用するものを水性塗料、シンナー(溶剤)で薄めて使用するものを油性塗料と言います。
1液型の材料は2液型と違い、使用後に塗料缶のフタを閉めていれば乾燥しないため、使い勝手が良いという特徴があります。
しかし、1液型は2液型塗料に比べて耐久性が劣る傾向にあるので、高耐久性塗料を望む方には不向きな場合がございます。
2液型は1液型と違い、塗料缶が2缶必要となる塗料です。主剤である1缶の液体に対し、硬化剤と呼ばれる別の液体を混ぜ合わせて使用します。
硬化剤は主剤とセットで販売されており、主剤だけで使用すると乾燥しないので、硬化剤は必須になってきます。
注意点として、硬化剤は「規定の量より多く混ぜたら、固まる時間が短縮される」というわけではありません。
硬化剤の量が多いと、塗装後に時間が経過しても表面がベタベタした状態が続く「タッグ」と呼ばれる現象が起こり、物が当たると塗料が転写してしまいます。
また、反対に量が少ない場合も硬化不良に繋がってしまうため、規定の量を守って正しく使用することが大切です。
1液型の塗料のメリット・デメリットとして、次の点が挙げられます。
・塗料の価格が2液型よりも比較的安い
・硬化剤を混ぜる手間が省ける
・塗料が固まるまでの時間が長いため、作業がしやすい
・乾燥時間が長いため、人通りが多い所では不向き
・耐久性が低い(特殊塗料は除く)
・塗り重ね時、1回目の塗装が乾燥していたとしても、2回目の塗装時に塗料を溶かしてしまう事がある
・塗装できる建材が限られる
2液型の塗料のメリット・デメリットは、以下の通りです。
・1液型よりも耐久性が高い(特殊塗料は除く)
・原色系などの色落ちしやすい塗料でも、色持ちが良い
・1液型に比べて乾燥塗膜が強靭なので、摩耗等に強く、重ね塗りもしやすい
・高耐久なので、ランニングコストで計算すると1液型に比べて費用が安くなる場合がある
・乾燥時間が比較的早い
・使用する分の塗料を混ぜ合わせないといけないため、作業効率が悪い
・夏場は気温の影響で乾燥が極端に早くなるため、希釈後はなるべく早く使い切らなければならない
・1液型に比べて塗料単価が高い
・1液型に比べて匂いが強いタイプがある
1液型の塗料は、よくある戸建て住宅のサイディングボードやセメントモルタル、コンクリート、それぞれの旧塗膜に塗装することができます。
2液型の塗料は、1液型より施工範囲が広くなっており、サイディングボード、セメントモルタル、コンクリート、それぞれの旧塗膜の他に、ALCパネル、スレート板、鉄部、アルミニウム、金属類にも塗装が可能です。
大きな違いとしては、金属部に塗装できるか否かです。
2液型の塗料は、主剤と硬化剤を混ぜ合わせた時に化学反応を起こし、より強い塗膜を形成するため、金属にもしっかりと密着してくれます。この性質によって、塗れる範囲の幅が広くなります。
塗料の選択は、下地の状態や金額面の兼ね合いでも変わってくるため、1液型と2液型のどちらがいいかは一概に言えません。
ですが、長期的な費用を抑えたい方には、耐久性の高い2液型をお勧めします。2液型であれば金属にも塗装することができるので、広範囲の施工も可能です。
ただし、2液型の塗料を塗装する場合は、職人の技術力と経験が必要になり、しっかりとした経験や施工方法を身に着けていないと、施工の不具合に繋がる可能性があります。
また、2液型は1液型に比べて塗料自体が強い分、旧塗膜との相性を見極めたうえで使用しないと、下地を溶かして硬化不良の原因になるので注意が必要です。
現在、一般的によく使用されるのは、水性塗料の2液型になります。
ただ、1液塗料や溶剤塗料でも使用用途に合わせて選定することで、それぞれのデメリットを回避しつつ塗装工事を行うことは可能です。そのため、「1液型=悪い」とは一概に言い切れません。
ご自身が求める希望耐久年数や塗装しようとお考えの施工場所によって、適している塗料は変わってきます。また、金額面や機能性を重視している場合でも、塗料の選択肢は変化してきます。
塗装を検討している方は、一度プロの目で塗装範囲の確認したうえでお打ち合わせを行い、下地にあった塗料を提案をしていただくことをお勧め致します。